スネイルのかま夜日記

PS2ソフト「かまいたちの夜×3」のプレイ日記。
畏れながら
ネタバレ全開です。これからプレイされようとしている方々への
配慮は全く行われて
おりませんので該当の方は速やかに非難避難して下さい。

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第1話 「13年振りの再会」 4月23日(月) 雨 だるい 

屋の片隅で寂しげに、雪化粧の如くホコリを被っていたマイPS2。
本体購入から4年以上電源すら入れてなかった(グラVに1ヶ月燃えただけ)
そんな哀れな彼に命を吹き込むべく購入したのが「かまいたちの夜×3」。
ADVならグータラな今の私でも出来るだろうと、norton買換えのツイデに購入。

ま夜歴を申し上げると初代SFCはピンクの栞になるまでやり込んだ。
ADVでありながら選択肢により微妙にシナリオ展開や結末が異なったり、
果てはシナリオ自体が完全に変化する仕様は当時としては斬新であった。
その一つにHシナリオが搭載されていたのも当時10代のスネには超魅力だった。
(当然だが思っていたほどに過激では無かった)

れから13年。

も「かま夜」もスッカリ大人になって再び巡り会う事が出来た。
当時を想い起こしながら手記をつけつつジックリ攻略して行きたいと思う。
そう意気込んで4年ぶりにPS2を起動したらCDトレーが開かなかった

かま夜日記 



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第2話 「ペンション・シュプール」 4月24日(火) 曇 ねむい

作には第一作目の「ペンション・シュプール編」と二作目となる
「監獄島のわらべ唄編」が同時収録されている。三作目(つまり本作)は
全2作と関連深いシナリオである為、未経験者の為の配慮がされている形だ。
収録されているといってもメインシナリオのみでサブシナリオはプレイ不可。
「2」のピンクは過激と聞いていたので少々残念だが、それでも有り難い特典だ。

まずは懐かしの1からプレイ。

「ペンション・シュプール」編
吹雪により下界と断絶されたペンション内で起こる連続殺人事件。
「わしらの中に犯人がいる」という状況の中で犠牲者が増える前に
犯人を推理し惨劇を食い止められるか。バッドエンドが非常に豊富。



ここの音楽がニュースとかでよく流れる

13年前から犯人は分かっているのでワザとじらしながらの余裕プレイ。
いきなりグッドエンディングを見るのも味気無いので、当時トラウマにもなったあの
「可奈子を(正当防衛で)殺害した直後に恋人にヒトゴロシ呼ばわりされ惨殺される」
という途方も無いバッドエンドを目指してみる。13年経ったいま見ても辛いENDだ。

そして「犯人はわし」と宣言して殺されたり、部屋の鍵開けっ放しで殺されるのを待つなど、
次々とバッドエンドを読破していく。グッドENDは後回しにしたほうが救われる気がするから。
SFC版と違って好きなときに選択肢を選び直せるので最初からリプレイする必要も無い。
バッドエンドだと「終」で即終了、グッドエンドだとスタッフロールが流れてから「完」と出る。
ここまで見てきたのは当然全て「終」だ。

一通りバッドエンドを見終わった後でいよいよ犯人調理に取り掛かる。
SFC版で一番感動的だった
「俊夫がみどりの所に行く」を見てみよう。
このエンディング無くしてシュプール編は語れない悲劇の名話である。

犯人捕獲劇の後、弾丸の無い銃を手にみどりの部屋に向かう俊夫。

バキューン

なぜなんですか俊夫さん。

さぁ物哀しげな音楽と共にスタッフロールが・・・

うそおおおお!!

あの名エンディングがバッドエンドなんて_| ̄|○


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第3話 「わらべ唄編@」 4月25日(水) 雨 吐きそう

ホネを折られて「完」、
チ○コを蹴られて「完」、
彼女に手柄を横取りされて「完」。

考えてみればロクなグッドエンドが無い「かま夜」シュプール編。
何かひとつ忘れてると思ったら「香山会社に就職」を忘れておりました。
当時の就職氷河期を考えれば十分に「完」であろう。「終」なんだけど。

これで「シュプール編」は完全読破。
いよいよ「かま夜2:わらべ唄編」に突入しよう。
2は未プレイなので完全新作の気分で挑戦する。

「監獄島のわらべ唄」編

暴風雨により脱出不可能となった孤島の洋館。
古のわらべ唄になぞらえる様に発生していく猟奇的殺人。
その影には語るも辛い哀しいひとつの事件があった・・・


50年に一度、孤島を襲う伝説の暴風雨「かまいたちの夜」。

そこに意気揚々とバカンスに訪れる「シュプール組」の面々。

お前らヘンだよ。



「シュプール殺人事件」は無かった事になってるらしい。
どうりで例の殺人鬼も主人公達と和気藹々とやってるわけだね。
死者も復活して新入りも増えてたりと
男塾プレイボーイ版のような新展開。

-----------3時間55分経過----------

初回プレイで「完」まで行っちゃったけどいいのかコレ。
犯人入力が何回も出来るのはゲーム的にどうかねと思う。
これじゃプレイヤーの介入する余地(犯人当て)の重要性が希薄で、
結果的に真相が判明しても達成感があまり感じられなかった。

シュプール編はこの辺りの組み立てが上手かったんだけどなぁ。
例えばバッドエンドで真相を知ってからリプレイでみどり殺害を阻止出来たり。
リプレイで噛み尽くすスルメゲームだった「かま夜1」に比べたら2は何か一本道。
シナリオそのものは感動的だっただけにゲーマーとしては少々残念。

まだ未閲覧のエンディングが
20コもあるので
全部見ない限り批評は出来ないんだけど。
長過ぎ
まずはヒライ師匠の日記にあったツマミ食いENDでも目指そうか。


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第4話 「わらべ唄編A」 4月27日(金) 曇 胃痛

トゥルーエンド(完)は完了したので枝葉を漁ってみる。
未選択だった分岐点を片っ端から洗い出してみるという意味だ。
「×3」に収録されている「かま夜2」はあくまでメインシナリオのみなので、
オマケ編が出来ない以上はこの本編をしゃぶり尽くさねば元手は取れない。

かま夜クッキング

イカガでしょうかって(汗)


犯人入力画面で「わしです」とカミングアウトしてみたら、
登場人物総員の拍手を浴びながら護送車に連行される。
そして「終」。呆気に取られるモニタ前のワタクシ。

ここで終わればまだ幸せでした。

・登場人物達に何の脈絡も無く焼き殺される
・何故か賽の河原ジゴクに出て亡霊達に押し倒される
・カラスを食べて後を継ぐ(これが一番ヒドイ)
・気付けば隣に超高層ホテルが建ってる

PS2を蹴り倒そうと思いました

何のセンスもウィットも感じられないフザケたENDの山・山・山。
パラレルでも無い本編で突然「亡霊」だの出されても困っちゃうょ。
サウンド「ノベル」なら最低限の前後の脈絡くらいつけなきゃ。

トゥルーENDの感動が壊れる前にとっとと「×3」へ移動(・∀・)ノ


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第5話 「わらべ唄編B」 4月28日(土) 晴 けだるい

「かま夜3」に移る前にもう一度「わらべ唄編」の完エンドを見ておく。
後日談となる「かま夜3」に備えてもう一度話の流れを整理するためだ。
本当は最初から再読したいがその場合4時間近く掛かってしまうので、
章セレクト機能で犯人指名場面からエンディングまでをざっと見ておく。

それでも1時間も掛かってしまうくらい「かま夜2」は長い。
時間が無くなったので「かま夜3」は予告ムービー観賞で我慢。
(ネタバレが怖くて今まで見てなかった)

 
もはや連ドラ状態

三日月島事件の真相究明そのものよりも、
「かま夜2」のあの後からどうやって話を捻り出すのかが非常に心配だ。
ホントに無事完結してくれるのか。往生際の悪いイー○みたいになったらヤダ。

と余計な心配ばかりが膨らんで何の進展も無いまま終了。


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第6話 「感情移入」 5月1日(火) 曇 普通

ようやく本編「三日月島事件の真相編」に移る。

話は前作の「完」エンドから一年後、舞台は同じ「監獄島」。
前作での犠牲者の供養を口実に再び呪われた島に集う面々。
そして再び彼の地で起こる連続殺人に巻き込まれる彼ら。

少しは学習しろよお前ら


最終作となる今作は主人公を選べます。
言い換えれば主人公が存在しない「神の視点」で物語は進みます。
この仕様上「チクワ」だの「へちま」だのイカス名前を付ける事が出来ません。
命名によりゲーム世界へと没頭するわたくしとしては大幅なマイナス評価です。

命名により自分の分身を作れない以上、
予め設定されてるキャラにどれだけ感情移入出来るかがポイントです。
ゲームにのめり込む為にも「お気にキャラ」を見つけておく必要があります。

・透 バイトを口実にカノジョの元に押し掛けストーカー
・真理 遺産を引き継ぎシュプールで左団扇な日々
・可奈子 前作の事件でのPTSDにより情緒不安定
・美樹本 そんな彼女の弱みに付け込んだスケコマシ
・啓子 そんなカレを追い掛け回すファンシー女
・香山 供養の手伝いに別れた前妻を呼び出す鬼畜社長
・春子(元妻) 本当に行っちゃうリモコン女

我孫子先生もしや
人間が嫌いですか


誰に感情移入してよいか分からないままプレイ開始。
キャラ紹介を兼ねた「序章編」から物語は始まります。
そうだ俊夫のアニキを忘れていた。前作ではご愁傷様でした。



前作での幸せな新婚生活から一変。
服役中のみどりからは離婚届を突きつけられ、酒浸り生活に。
会社も辞め生きる意欲も無くしアパートの一室で腐っていく彼。

80年代昼ドラを彷彿とさせるモロな展開、
かの「女ののど自慢」(NTV)のイントロを地で行くような生き様。
もうスネの心はガッチリとキャッチ。彼を主軸にかま夜3を進めよう。

・・・・・・・・・
そんな俊夫の初ENDは
「バナナの皮で滑って死亡」(本当に)
嗚呼アニキ・・・_| ̄|○

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第7話 「熟考の末に」 5月4日(金) 晴 ヨッパー

大型連休も中盤。皆様いかがお過ごしでしょうか。
こちらは大量の死体に囲まれて元気でやっております。
あーほらまた「終」ですよ。刺殺の次は水死でございますよ。
かま夜など買ったばかりに死体まみれのトホホなGWですよ。

とりあえず一応の決着を見たつもりなのに「完」が出ず、
「終」ばかり既に30個近く見てます。全貌は見えてきたのに(多分)、
毎回
「犯人の協力者を逮捕」しつつも真相には触れないまま「終」です。
もしやGW最終日まで毎日こうかと思うと、何か気が狂いそうです。

さて「世界樹の迷宮」でお世話になった情報ページ「wiki」、
当然「かま夜」にもございます。が、RPGと犯人捜索の推理ゲームじゃ
ネタバレの度合いが全く違うのでその存在自体を無視しておりまし

ナゼか表記が過去形です!!!!!!!!!!!!!!

あのね躊躇はしたのよ。自力で攻略したかったししたし。
でもさこのまま何の進展も無いままGW終わっちゃったらさー
とりあえずほんのチョイとヒントを見るだけねホントにほんの少し


-----15分後-----

何事も無かったかのように再開。
犯人指名とすり替えトリックは「終」エンドで判明してるので、
スラスラと入力していく。そして・・・そして・・・・・・



(ここからネタバレ警報)




何故か殺された筈の香山社長が復活しセーブ画面へ。
唖然としたまま再開すると何と
霊魂になって夏美と再開!!
シリアスな中で唐突にオカルト方面に話を持って行かれてもねェ。

と怒ってはみたもののwikiカンニングした分際で
彼是(あれこれ)言うのも気が引けるのでまぁ妥協してやろう。
何というかどっちもどっちだ(;´Д`)


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第8話 「完」 5月5日(土) 晴 痒い

霊体となった香山社長のシナリオを進める。
一年前に死んだ夏美や正岡の霊と協力し
館の悪霊討伐へと動き出す。
断っておくが決してサブシナリオでは無く列記とした「かま夜3」本編である。
緻密な密室推理劇を一気に灰燼に帰せしめるような陳腐なオカルト活劇。



何とか正気を保ちつつ話を進めて行く。(悪霊との)最終決戦時には、
夏美や正岡にの他に小林夫妻も霊体として香山社長に協力してくれる。
何か
末期のキン肉マンのような展開である。くどい様だけどこれ本編です。

途中で「正しい真言を選べ」という推理とは全く関係の無い設問まで出る。
もうここまで来ると何も驚かない。昔「孔雀王」を愛読していたスネには楽勝だ。
今も九字まで切れるヨとモニタ前でやってたら何と香山社長もアニメーションで披露。
あまりのシンクロさに10年分くらい笑わせてもらいましたwwwwwww

大ボスの悪霊を退治後に肉体に戻る香山社長。
結局真犯人の犯意も
「悪霊に操られてたから」という事で決着。
そして全員仲良く島を脱出して「完」。呆気に取られるモニタ前の私。

こんなENDが「三日月島事件の真相」。

完結編だから本当にこれで「完」。

流れるスタッフロールを眺めつつ
真犯人はお前ら全員だと思った


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第9話 「ピンク」 5月8日(火) 晴 快調

クリア後のオマケであるサブシナリオをプレイする。

陰惨な本編とは対照的に、キャラはそのままに繰り広げられる番外編。
冷たいアイスを本編とすればそれを和らげるウェハースのような存在である。
またこの明るい番外編があるからこそ本編の陰惨さも色濃く映るのであり、
両者は表裏一体の密接な関係でかま夜ワールドを演出してくれる。

とにかく
ピンクだピンクだ!(説明不要)

(・∀・)
(・∀・)
(・∀・)

成仏しきれぬ女幽霊達を退治しに「煩悩迷宮」へと乗り込むヤロー共。
様々な誘惑に耐えつつ戦闘パートで姉ちゃん達(霊)をシバきます。
このオイロケ戦闘が
「軽井沢誘拐案内」みたいな軽快なノリで楽しい。

誘惑に乗ったらENDなのでマトモな選択肢を選んでたら「完」。
いくらサブシナリオとは言え20分で終わるのは少々物足りないか。
再度プレイして今度はリストを埋めるべく片っ端からENDしてみる。
しかしそれでも30分も掛からずに完全制覇してしまう。みじかっ!

話自体は面白かったけどもう少し分岐作っても良かったのではないか。
正解以外は即ENDという一本道な展開では一回プレイしたら飽きてしまう。
エ○方面では
裸体を手で覆う辺りまでがソニーチェックの限界でしょうか。

81番以降のリストは全部埋まったのでこれで「番外編」は終了。
まだ
購入代金を取り戻した気にはなれないのでもう少し粘ろう。
明日からエンディングリスト埋めの作業へゴゥ(現在46/90)


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第10話 「真の真相」 5月13日(日) 曇 空腹

今頃気付いたエンディング
79番を読む。
(メニュー画面からでないと読めないシナリオ)

あ〜○○てば○○○じゃなくてそういう事だったのねぇ。
見事なまでに
叙述トリックに引っ掛かってた自分が悔しい(笑)
読了後スグに再プレイしてしまうところが何か「シックスセンス」みたい。
こりゃ一本取られたょアビコ先生!かま夜3評価も約80%向上

早速再プレイしたら物語からオブラートが一枚剥がれたかの様に
クッキリと理解できます。各所でナルホドと思わずポンと膝を打ってしまう。
「犯人編」とか銘打ってあるけどコチラの方が「真相編より真相」なのでわ。
(とううか真相編のデキがアレだったのでコチラを見ておかないと理解不能というか)

あとはエンディングリスト全部埋めると「後日談」(笑)が読めるらしいです。
そこまでの労力を要して報われる程の出来か不明ですが、まぁ「犯人編」で
購入代金分は取り戻せたのでお釣りを貰うべく頑張ろうと思います。

その肝心のリストがまだ
(47/90)ですが。
残り43個の死に様を探しに行くってのもなぁ(;´Д`)


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第11話 「かま夜クッキング」 5月15日(火) 曇 鬱

食事シーンでの春子のお斉料理。
「豆腐と海苔でうなぎの蒲焼に見立てる」
プレイ当初から真犯人よりも気になっておりました。



そんな料理あるのかとネットで調べてみたら、
「精進うなぎ」と呼ばれる精進料理の一品である事が判明。
豆腐を白身代わりに海苔をうなぎの皮に見立てるフェイク系料理。
あまりに美味そうだったので実際に作ってみました

「精進うなぎ」 (調理時間20分


材料
もめん豆腐 1丁
山芋(すりおろしたもの) 大さじ2
片栗粉 大さじ1
焼き海苔 1枚(四等分にしておく)
山椒の葉 適量(飾り用)
蒲焼のタレ (無かったので醤油・味醂・砂糖を同量で煮詰)

@豆腐は千切ってからレンジで水切りしておく。


Aすり鉢に@を投入、山芋のすりおろしを入れてよく練り合わせる。
整形と食感に関わるので念入りに。ツナギの片栗粉は2回に分けて投入。


B4等分した海苔の上にAを塗るように広げる。
竹串で縦に線を引いておくと本物のうなぎぽくて良いです。


CBに蒲焼のタレを塗り、熱したフライパンに投入。
白身の部分を下にして5分程度焼く。たまに裏返して
白身にタレをまぶしながら海苔面も軽く焼き上げる。


D余ったタレを白身面に塗り、山椒の葉を乗せて完成
食器洗いは後回しにして熱いうちに頂いてしまいましょう。


なるほど海苔が確かにウナギの皮のようになってます。
俊夫氏はこれに騙されたのか。肝心のお味はと言うと・・・
うなぎと言うか芋のお焼きというか^^;

豆腐製の白身に海苔の香りが移ってたまらなく香ばしい一品。
ビールにピッタリのおつまみになりました。
飲んでどうする
という訳で本日もエンディングリストは埋まりませんでした。
(残り77/90)


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第12話 「麻痺」 5月30日(水) 雨 ハイ

死ぬ。
生きる。
飽きる。

今日も14インチのモニター内で繰り広げられるドラマ。

刺されました。溺れました。
撃たれました。殴られました。
バナナの皮で滑りました。(ほんとにあります)

モニタの向こうで必死に生き永らえようとする彼らを
選択肢ひとつで死に追いやっていく何の感動も無い日々。
滑稽なほど簡単に落命する彼らに対しシュールな笑いすら覚えてしまう。
捕らえた昆虫の羽根を無邪気に毟り取る児戯のような無垢な快楽に近い。

麻薬のシナプスを遮断する効果が空虚を快楽にすり換えてしまうよう様に、
他者の死に対し緩慢に慣れていく事でいつしか快楽を得ている自分に驚く。
もしや私こそがヒトの尊厳を踏みにじっている「真犯人」では無かろうか。
そんな疑問を「かま夜3」は中世の水飲み拷問の如く私に汲み続ける。

こんなわたくしを労わってくれるなら、
モロでは無くヒントでいい、全ての労力は費やした上での最後の願いだ。
誰かエンディング37番と61番の出し方を教えてくれ。


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最終話 「引き際」 6月6日(水) 晴 まったり



・「プレイヤーはいずこ」
ザッピングによる主人公切り替えシステム自体が個人的にイマイチでした。
操作人物を切り替える事により多角的に事件を解くという趣旨は理解できるとして、
そもそもサウンドノベルって
「タネは分かっても選択肢が出なきゃ意味が無い」ワケで。
そのフラグ立てが余計に複雑になりゲームとプレイヤーの乖離が更に広がった気がする。
何より1や2の「自分以外信じられない」という緊張感が無くなったのは痛い。

一度バッドエンドで核心となる「○○のすり替え」を見せてから再プレイ後に
正解ルートでプレイヤに言い当てさせる手法はゲームとして良く出来ていたと思う。
ただ肝心のマスターキーを巡る一連の描写が把握し辛く推理での取っ掛かりに乏しい。
言われてみれば「ああそうだったのか」といった感じで解いた達成感はあまり無かった。

このゲーム最大の魅力は「犯人編」を観賞した直後のリプレイ
ほらアレですよ「シックスセンス」を見た後で急いでテープ巻き戻しちゃったでしょ。
それと同様の意外性を持つ叙述トリックが「犯人編」に込められてて凄いです。
でも「犯人編」の構成自体はただ文章を眺めるだけの一本道朗読シナリオ。
ここでザッピングを使えればもっと面白くなったのに!

活字を追うのみの展開ならゲームにする必要なんて無い。
「映画ライク」を謳う一本道RPG全盛期に現れたのが「サウンドノベル」。
膨大な選択肢により自分だけの展開を作り上げていくプレイヤーの介入性は
用意されたシナリオを眺めるだけの大作主義とは対極にあった痛快さでした。

そんなサウンドノベルがいつの間にか
キャラゲーになってた
終始サイレントタッチで描かれる金のしおりでの後日談も含めて、
シナリオよりもキャラありきという印象でプレイヤの介入性が感じられない。
ザッピングのお陰で誰に感情移入したらよいか分からぬままエンドを迎えてしまった。
これが13年振りにかま夜最新作をやってみての正直な感想。

もし本当に今作が最終作ならあまりに寂しい引き際だと思う。
得たのは「精進うなぎ」のレシピだけなんて思いたく無い。
いぁ本当に美味しかったんですけどアレ

かま夜日記 



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背景素材は満月夜会様よりお借りしました


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