スネイルの銀英伝鑑賞記
OVA第3期(55話〜)

アニメ「銀河英雄伝説」の鑑賞記。
予備知識ゼロのスネが全110話のスペース・サーガに挑みます。
読んでもいいけど怒らないでね。

その@(27話〜54話)
そのA(55話〜70話)
そのB(71話〜

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第70話「蕩児たちの帰宅」  08/11/24

ツッコミが多い意味では第61話「歌劇への招待」に似ている。
ちなみにタイトルの「蕩児」とは「放浪息子」と同じような意味らしい。へぇ。

描かれているのは「イゼルローン要塞」の攻略。
まずは駐留する帝国軍に「ニセ指令」を乱発して混乱させるヤン。
「出撃せよ」・「するな」・「出撃せよ」・「すんな」・「せよ」。困惑するルッツ提督。
なら本国に確認をとれよ。(ちなみに指令を無視されて怒ってるライがかわいいぞ)

で出撃しちゃったルッツの隙を突いて、要塞内に突入するヤン部隊。
なぜか迎撃されない揚陸艦。突入したヤン部隊は獅子奮迅の活躍で要塞を制圧。
頼みの綱のトールハンマーはなんと暗号操作で作動しない。これがヤンの置き土産。
発射不能に1年近くも気付かなかった帝国軍。ありえねー!!

断っておくけど、ツッコミさえ抑えられれば今話はメリハリがあって面白いです。
ニセ指令作戦とかヤンらしい心理戦だし、トールハンマーが起動しなくて焦る帝国軍も、
「やってみろー」「もっかいー」とか叫んでる声優の熱演が功を奏して手に汗握る緊張感。
ただ繰り返すけどツッコミさえ抑えられればの話。この辺はもう本当に勝負するしか。

第69話「イゼルローン再奪取作戦」  08/11/21

「銀英伝鑑賞記」でこんな事を書くのも何だが、
今回は「しいたけ栽培セット」の育成の様子を書いてみる事にする。
(購入のキッカケは63話を参照)

1日目(11/13)

オガクズを固めた「ほだ木」のような本体。これにしいたけ菌がくっつけてあるらしい。
はじめに水洗いしろと書いてあったので風呂場でやったら木屑が飛び散って悲惨だった。
乾燥を防ぐために添付のビニール袋をかぶせて初日は終了。収穫まで室内禁煙を決意。

3日目(11/15)

ぽつぽつとしいたけの赤ちゃんのようなものが発生し始める。説明書によると
発芽するのに5日〜2週間かかると書いてあったので、これは驚異的な成長率だろう。
何が良かったのかは不明だが、芽を押してみると意外に固い。その弾力に生命力を感じる。
こんにちわ、おいしい網焼きになるんだぞと語りかける。・・・その愛情が良かったのかも。

4日目(11/16)

芽の状態からわずか1日でしいたけらしくなってきた。
この頃の成長力は本当に凄まじく、数時間もすると傘の大きさが変わっているほどだ。
そのあまりの成長スピードに恐怖心すら感じてしまう。しいたけにビビッてどうするんだ。
コップでの水やりが難しくなってきたのでホームセンターで霧吹きを買ってくる。290円だった。

5日目(11/17)

相変わらずボコボコ成長するしいたけ。なんだかシムシティーみたいだ。
しいたけ達の熾烈な生存競争の結果、個体ごとの優劣がかなりはっきりしてきた。
思ったのは「上に位置するしいたけは絶対に有利」ということ。下から生えているしいたけは、
上のしいたけに成長を邪魔されて白くひょろひょろだ。間引きの必要が出てきたのかも知れない。
一番成長している左下のしいたけを「陛下」と命名する。大きさも色ツヤも申し分無し。

7日目(11/19)

もはや自然界では有り得ない生え方をしている。
しいたけに埋もれてほだ木が見えないくらい。なんだか見てると息苦しそう。
間引きはカワイソウでできなかったけど、どれもそこそこの大きさに育ってくれた。
傘が開きつつあるので(開くと旨みが落ちるらしい)、早いうちに収穫する事にする。
ただ彼らの成長を見るのも今日で最後だと思うと切ない。最後の水やりは念入りに。

収穫(11/20)
 

いよいよ収穫。手でもぎ取ったら土台がボロボロ崩れて悲惨だった。
引退する弟子のマゲを切る師匠のように、念入りにハサミを入れていく。
傘が開いて見てくれは悪いが、それでも十二分な量が取れた。香りも濃厚。
小さいものはバター焼きで、大きいものは網で焼いて食す。痺れるほどに美味。
余ったら干ししいたけにする予定だったけど、あまりの美味さに全部食ってしまった。

網焼きになった「陛下」。ウマー(゚Д゚)

第68話「エル・ファシルへ」  08/11/18

帝国軍に変な奴が出てきた!!

指を一発鳴らすとコーヒー、二発でウィスキーを調達させる「沈黙提督」。
口で言えばいいのに喋らない事が信条らしい。あんたノッポさんですか。
でウィスキーが欲しくて指を二発鳴らしたのに、給仕兵がコーヒーを二杯持ってくる
でも「沈黙提督」だから説教もせずに黙って飲む。何が何でも
絶対に喋らない!

キュンメル事件のレビューで「サイコ再誕を待つ」と書いたが、それから数話。
彼がその後継者に値するかは分からないけど、第一候補であることには間違いない。
今後の活躍に期待大。でもこの先突然ペラペラ喋ったりしたらヤだなぁ。
(念の為にスタッフロールで声優を確認したけど名前は無かった)

本編。いよいよ帝国と同盟が交戦突入。そこで気になった点をひとつ。
玉砕を決め込む人間を格好良く描写するのはやはり気分が悪い。
攻撃者側(ミッターマイヤー)の描写が無いから余計に卑劣に見える。
時代錯誤的な美談はやはり好きになれない。沈黙提督の感動も台無し。

第67話「『神々の黄昏』ふたたび」  08/11/16

帝国の同盟領侵攻についてのゴタゴタが描かれる回。
とは言ってもこのゴタゴタは数話前から続いてるんだけどな。
思えば60話あたりからほとんど進展していない。正直言って退屈だ。

そして今話は宇宙全土に向けてのライの演説からスタート。
直立不動で「余(よ)がなんたらかんたら」と侵攻の正当性を主張するライ。
演説の内容はどうでもいいんだけど、終始ライの顔面ドアップで凄い迫力だ。
ハイネセンの街頭TVがライで埋まるシーンはかなり笑えるぞ。一見の価値あり。

で、その演説中を聞いてるビュコックがカットインで出てくるんだけど、
ここで奥さんが思いつめた表情でビュコックに軍服を差し出すんだ。泣ける。
後の悲劇を知っているから余計にグッと。この奥さん未亡人になっちゃうんだよなぁと。
結果を知っているからこそ(日記63話参照)分かる感動。カンニングも怪我の功名かも。

しかし今回最大の衝撃は、
チュン大将が38歳だったという事実だろう。フケ過ぎ。
その衝撃に比べればライのドアップ演説など取るに足らない。ライ敗れたり。

第66話「黄金獅子旗の下に」  08/11/13

今話の主人公はライである。
そもそも銀英伝の主人公はライなんだけどな。
それじゃ言い方を変えよう、今話のMVPはライである。

皇帝就任直後から顕在化してきた「ライの精神的成長」は今話で完全に払拭された、
そう断言していい。「キュンメル事件」での落ち着き払っていたライはやはりらしくない。
やはりライはぶっ壊れていてこそライだ。天才性にチラつく狂気こそが我々を楽しませるのだ。
全体の8割が会議シーンという今回を楽しめたのは、この狂気が存分に発揮されたからだ。

すなわち「ビッテンフェルトの言や良し!」の絶叫に尽きる。
何の前触れもなく突然絶叫する。ついでにこの直後にナレーションも絶叫する。
この一言でライは完全に全盛期を取り戻した。スネの求めるライが帰ってきた!!

この名セリフは墓場に行くまで忘れないだろう。
ただなぜビッテンフェルトは褒められたのかは覚えてない。
そもそも一体何を話し合った会議だったのかもよく覚えてない

第65話「すべての旗に背いて」  08/11/10

これまで銀英伝を見てきたけれど、今のとこ誰も好きになれていない。
それと同じく、帝国と同盟どっちが好きかと言われてもどっちも好きじゃない。
しかしこの二つの質問は銀英伝ファンには挨拶代わりの決まり文句であるらしい。
自分の属性を明確にする事が、この世界では名刺交換のような意味を持つのだろう。

んじゃ「ライちゃんの帝国大好き★」とか心にも無いことを言ってやろうか。
別に「ヤン閣下の民主主義万歳!」でもいいぞ。言うだけならいくらでも言ってやる。
さあどうなんだ。何とか言ってみろ。って誰も聞いてないのに勝手に怒ってどうするんだ。
(恐ろしいことに、このふたつの回答はファンサイトの掲示板で本当に存在したりする)

でも好きになれないキャラならいるぞ。シェーンコップとかあまり好きじゃない。
今話のこいつは凄いぞ。冒頭3分間でヤンに延々と説教するんだ。ネタバレすると、
ヤンにエル星の指導者になれと迫っている。自分が出来ない事を他人に強要するな。
んじゃ自分がなれよと。漠然と抱いていた好きになれない理由が今話でハッキリした。

感情移入できるキャラ・陣営がいないのはニュートラルな視点を保てる一方で、
それらの立場からストーリーを別解釈する可能性を捨てている気もする。
例えるならカメラ視点と俳優の視点じゃそれぞれセットは違って見えるはずのに、
カメラしか見てない監督みたいな。だとしたら大変勿体無い事態かも知れない。
でも誰も好きになれないから仕方が無い。

第64話「休暇は終わりぬ」  08/11/8

「休暇は終わりぬ」。何てインパクトのあるタイトルだろう。
連用形+「ぬ」完了で「終わりぬ」。古典文法が妙にエレガントな響きを持つのは、
古典文学がどうでもいいような題材ばっか描いているからに他ならないと思う。
「昔の人はヒマだったんだな」という思いが「ヒマ=エレガント」と錯覚させるのだ。
何の根拠も無いけど。まあどうでもいいか。

で第64話「休暇は終わりぬ」だが、肝心の「休暇」がどこにあったのか分からない。
印象に残ってるのは帝国提督たちの会議シーンで、しかもオーベルシュタインを除く全員が
「ヤン無罪」を主張するという異様な内容だ。無罪!無罪!と体育会系的な盛り上がり。

ここで思ったのは、こいつら自分の敗戦をすり替えていないか、という事だ。
ミュラーもビッテンもタールも、とにかくヤンと戦った帝国提督は全員敗北している。
敗北した彼らにとっては、敵が強大であるほど敗北した自分を正当化できるのであり、ましてや
自分を敗北せしめた強敵に「無罪」という温情を与える事は、プライドを保つ最良の方法だろう。
だから無罪を連呼し、逆にその盲点を突いてきたオーベル(&ラング)に苛烈に当たったのではないか。
温情と見せかけて実は自己保身。スネにはそんな気がしてならない。

それにしても「休暇は終わりぬ」の謎が解けない。
その「休暇」とは何だ。そして疑問はライの登場で氷解した。

髪が急激に伸びている。前回では短髪だったのに
ありえない速度で。そして結論。「休暇は終わりぬ」の休暇とは何だ。
それはライが髪を伸ばす時間だった

第63話「聖地」  08/11/7

ここでひとつ重大な告白をしなければならない。
ヨッパーの勢いでだが、
銀英伝のあらすじを読んでしまった。
だってここ最近展開が冗長だったんだもんょ。事故と言っていい。

〜知ってしまった情報〜
・ヤン暗殺(暗殺されるのは知ってたけど状況までは知らなんだ)
・ビュコック戦死(やっぱりね)
・ロイエンタール反逆(?!)
ライとヒルダ結婚
(これ最大のショック!ライは一生独身だと思ってた!)
・息子の名前はアレク(子供まで作ってる!)

詳細を明かすと、今話のキーワードである「サイオキシン麻薬」を調べていたら、
全話をレビューしているサイトを発掘しまい、つい最後まで見てしまったという訳だ。
真に悪いのは情報が氾濫しているネット環境であり、それを放置してる当局だろう。
当局って何だ。とにかく
知りたくも無い情報を知ってしまったスネは被害者でしかない
知ってしまったものはしょうがないので、結果を知ってる「神」の立場として鑑賞を続けたい。

もっとショックなのは同じくヨッパーの勢いで、楽天で
「しいたけ栽培セット」なんぞを注文(代引)してしまった事だ。
7日以内に配送されるらしい。置き場が無いし欲しくも無いのに、どうしよう。

第62話「血の流水階段」  08/11/5

ローゼンリッター部隊によるホテル・シャングリラ強襲。
斧が大好きな帝国人同士、血みどろになりながらの白兵戦が展開。
知らない人がこの場面をみたらストームトルーパーの内輪揉めに見えるかも。
似てるよなぁ。どうでもいいけど鎧と兜が全然防御能力を果たしていないのはなぜだ。

あとシェーンコップが敵の少年兵を見逃がすシーンがあるんだけど、
それがなんか胡散臭い。無理矢理いい人を演出している気がして不自然だ。
そんな事して自分を立てるシェーンコップより、言い訳しないオフレッサーの方が素敵だ。
あと斧って武器としてどうなんだろうか。振りかぶる武器って隙だらけの気もするけど。

レンネンカンプ(の死体)を人質にハイネセンを脱出するヤン達。
かつぎあげられたヤンもいい迷惑だ。と言いたいところだけど、メルカッツ艦隊を
隔離温存したのは彼の命令なので自業自得だろう。んじゃ自分で何とかしろ。

第61話「歌劇への招待」  08/11/3

疑問を抱くとキリが無い。事実は事実として受け止めるしかない。
今回「歌劇への招待」はそんな視聴者の姿勢が問われる内容だった。

物語の終盤、ヤンが監禁先で暗殺されそうになるシーン。
絶体絶命の大ピンチ!でも刺客の放った銃撃をヤンは頭スレスレで回避!

間一髪で愛妻フレデリカが登場して刺客を返り討ち!
(どっから来たんだよ!)
そして「あなた!」「泣くな」と言いながら抱き合うふたり!
(タイタニックかよ!)

このシーンは何の疑問も持たずに「夫婦愛が為した奇跡」という
理由で解釈しなければなりません。つまりヤンは光速の動きで弾丸を回避し、
フレデリカは扉越しにそれを見届けた上で突入し、ローゼンリッター部隊はおそらく
警備員に賄賂でも渡して厳重な包囲網を突破してヤンの救出に間に合ったのでしょう。

全ての疑問は「進入は簡単だった」と言うザコ隊員の一言で(本当に言ってる)
解決することが可能です。つまり進入は簡単だったのです。そこにツッコミの余地は
存在しません。事実は素直に受け入れましょう。それができないからやっぱりこう思います。
ふざけんな。

第60話「魔術師捕らわる」  08/11/2

題名の通り魔術師が逮捕されました。
目的はそれにより蜂起する反帝国派を一網打尽にするため。
蜂起しないならしないでヤンの身柄を拘束できてどちらにしろおトク、らしい。
そんな事よりヤンが冴羽遼に見えて仕方ない。服も髪も狙ってるとしか思えない。

今話の見どころとしてオーベルシュタインが義眼を外すシーンがあります。
USBみたいにカチッと着脱してます。スネもあんな風に目玉を取り出したい。
ほいで疲れた目玉を氷水でジャブジャブと洗ってやるのです。気持ちよさそー。

第59話「過去と現在と未来と」  08/11/1

どうしよう。今回もつまらない。しかも前回よりつまらない。
つまらないのにレビューは書かなくちゃいけない。何を書けというのだ。
そもそも全110話の鑑賞記をつけるなんてだれが決めたんだ。私だ。

まず話の前半はゴールデンバウム王朝の皇帝の歴史。
展開が早過ぎだし全然面白くない。歴代皇帝が奇人変人ばかりというのも
リアリティが無くてダメ。特に5代目のホモ皇帝。少年と恋に落ちるのはいいとして、
駆け落ちして行方不明ってどうなんだ。皇帝が駆け落ちとか物理的にも無理だろう。

そして後半はヤン夫婦とキャゼルヌ一家のご近所付き合い。
帝国の監視が厳しくてイヤぁねぇとかいやいや泥棒入らないし便利ようふふとか
奥さんの料理はいつみても素敵ねぇとか、終始脱力満点の会話が応酬されます。
新婚生活を描写するなら夜を映せ夜を。怒りのあまり品性まで失いそうになる。

次回予告で「ヤン逮捕」とあったので少し動きそう。
というわけで今回最大のみどころは「次回予告」でした。

第58話「訪問者」  08/10/31

つまらない。言い換えれば、見ても意味が無い。
ゴシップをまとめあげたような内容で、物語上の進展はほとんど無い。
「訪問者」という意味深なタイトルも、裏があるように見えて意味がない。

敢えて功を言えば、「地球教」の大司教はハゲだったという事実が、
銀英伝の「ハゲ=悪人」説をいよいよ確定的にしたということくらいだろうか。
スタッフロールを見たら声優が銀河万丈さんだった。ギレン様と思えば親近感も沸きそう。

第57話「キュンメル事件」  08/10/30

昔からサイコキャラが無性に好きでした。
北斗の拳なら「コマク」、慶次なら「主馬」、JOJOなら「チョコラータ先生」。
常識をものともせず己の道を行く彼ら「サイコさん」は、スネには「世間体」から
解放してくれるヒーローそのものでした。好きに生きる人生もアリなんだと

サイコさんが人生の師というのもどうかと思いますが、
人格形成に影響したのは事実です。(これには厳格なクリスチャンのお父ちゃんの
影響もあると思います。)スネは「解放者」としてサイコさんたちを尊敬・崇拝しました。
そして気付けば本物のサイコさんになり、やがて同類を探し求めるようになりました。

銀英伝で「サイコ」に一番近い位置にいるのが「キュンメル男爵」だろう。
歩行すら不可能な病身と奇奇怪怪な発言(絶叫したりする)はその資格に十分だ。
第30話での強烈なデヴューから、ずっと熱い視線を注いでいたカレが今回の主役。
もう登場シーンから凄いんだ。館の奥から流しソーメンみたいに車椅子で飛び出てくるの。

そんな彼がゼッフル粒子でライを謀殺しようとするも失敗、実は地球教がテコ入れしてました、
という流れが今回の「キュンメル事件」のあらすじなんだけど、そんなことはどうでもいい。
大事なのはキュンメル男爵が、最期までサイコとしての任務を立派に果たした事だ。

よくわからないまま登場し、強烈な印象を与え続け、意味不明に死んだキュンメル。
つまり
何もしなかったと言っていい。しかしだからこそインパクトは最終回まで続くだろう。
なぜなら「いてもいなくても関係ない」という、ストーリーから外れた存在である事を逆手に取り、
作品中で遊び続けたのだから。その身勝手さこそがサイコの証だ。サイコは人生を好きに生きるのだ。

そして彼の亡き今、私はサイコの消えた「銀英伝」を観せられる事になる。
しかし全110話のまだ中盤。サイコ再誕の余地は十分にある。それを信じてこの先を続けよう。

第56話「地球へ」  08/10/29

「ユリアンが歴史番組を見る」という構成で語られる地球の歴史。
第40話と似たような構成だけど、決定的に違うのはその情報量の多さ。
軍人でもない限り一回で理解する事は不可能だろう。ナレーションも妙に早口だし。
今回語られているのは「人類の宇宙進出史」。ややこしいので超簡単にまとめてみた。

@地球が核戦争で壊滅して生存圏を宇宙に広げた。
A居住可能な惑星が発見されると「植民星」としてそこに入植した。
B諸植民星は地球に搾取され続け不満は限界に。地球は強大な武力でこれを鎮圧。
C虐げられてきた植民星シリウスから4人の勇者(笑)が誕生して反乱軍を組織する。
Dここで急にポプランがドアップになってビビる。
E4人の勇者(笑)は地球を制圧したけど後に仲違いになって内戦状態に。
F混乱は一世紀近く続き、その収拾は「銀河連邦」の成立まで続いた。

Fの「銀河連邦」からの銀河帝国の勃興は第40話で語られているので、
今話で作品のバックボーンとなる宇宙史はいちおう完結された事になる。
@〜AまではSFのお決まり展開だけど、Bから政治が絡んでくる大人の展開を
みせるのが流石だ。リアリティありすぎ。難しくて5回ほど再生したのはナイショだ。

第55話「儀式から再び幕は上がり・・・」  08/10/27

銀英伝も今回の第55話から第三シリーズ突入。
シリーズて何やねん、という人のために説明しておくと、
膨大な質量の原作小説を一気にアニメに落とすのは大変なので、展開上で
区切りのいいところで本編を4つに分割して、それぞれ年間単位で製作したらしい。
で分割された三作目が今回からの「第三シリーズ」というわけ。当然物語の流れは同じ。

そしてシリーズが変われば「初めの歌」&「終わりの歌」も当然変わる。
そこで今回の鑑賞記はそこにツッコミを入れてみたい。というのも本編が
「ヤンとフレデリカの結婚式」というどうでもいい内容だったからだ。けっ。

まずは新オープニング歌から。
@「ティモテのCMみたいに髪をそよがせるライのドアップ」で始まり、
A「ライが宇宙空間を直立歩行してヤンとすれ違う」という場面へ変化する。

訳が分からないと思うが、本当にそのとおりなんだから釈明のしようがない。
でも当時ってワケの分からない企業CM(小倉久寛が延々とサックス吹いてたり)
とかが流行った時代だったから、その当時の雰囲気を反映させているとは言える。
インパクトだけなら前期の「アンネローゼ様が宇宙空間で延々と刺繍」にも匹敵しよう。

(ちなみに部屋のインコ(♂3歳)がライの宇宙空間歩行シーンで、
突然けたたましく鳴きはじめたことを追記しておく。関係無いかもしれないが念のため。)

そしてエンディングはと言うと、
「得体の知れない森の中でヤンファミリーがランチを楽しむ」というものだ。
オープニングに比べれば刺激の軽いものに見えるが、しかし騙されてはいけない。
その直後に妙にフケたユリアンが登場し、自殺でもしそうな思いつめた表情で
上記の「ランチシーン」をフィルム映像として見ている場面に変化するからだ。

これらから「幸せそうなヤンファミリーの風景」は今となっては過去のものであり、
それを見ているユリアンは、昔とは全く違う境遇に置かれている事が推測できる。つまり、
近々ヤンファミリーにとって破滅的災難が訪れる、という事をこのEDは示唆しているのだ。
ユリアンの今後の陰性化が心配だ。

とゴング直後から重いボディ・ブロゥを決められたようでこの先不安だが、
全110話の半分をこなした今、ここで尻尾を巻くワケにもいかない。
という訳でのこり半分を頑張って頑張りますので生暖かく見守って下さい。


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